コラム
共通一次試験
正式名称は「国公立大学入試選抜共通第一次学力試験」という。
戦後の大学入試では、一回の学力検査により合否を決定する傾向が見られた。しかも、各大学が独自に入試問題を作っていたので、学力検査において高等学校教育の程度や範囲を超えた難問?奇問の出題が少なくなかった。この状況を改善するため、国立大学協会における長年の調査研究をへて、1979年度から国公立大学において共通一次試験を取り入れた新しい選抜方法が実施された。愛知県立大学もこれに参加した。
共通一次試験は、国公立大学の入学志願者に対し各大学が実施する試験に先立ち全国同一期日に同一問題で行われる試験であった。これによって高等学校段階における一般的かつ基礎的な学習の達成程度を問う良質な問題を確保しつつ、各大学がそれぞれの特性に応じて行う第二次試験との適切な組合せで、受験生の能力?適性を多面的?総合的に評価できることがめざされた。一回の学力試験に偏った従来の方法を改め、きめ細かで丁寧な入試の実現を目指したのである。
しかしその反面、問題点も指摘された。例えば、一律に5教科利用を原則としたことによる共通一次試験の成績による大学の序列化の問題が顕在化したこと、国公立大学のみの入試改革にとどまったこと、各大学の第二次試験の改善が必ずしも十分でなく受験生にとって過重な負担となったこと、などが挙げられる。
共通一次試験は1979年度から1989年度まで実施され、第1回目の志願者は約34万人であったが、その後18歳人口の増加等にともなって最終年度には約40万人となった。その後も継続して改善が試みられ、、1990年度から2020年度までは大学入試センター試験、2021年度からは大学入学共通テストと変遷している。2022年度からは高校社会科に「歴史総合」が必修化されるなど、大学入試に直接影響する動向もある。愛知県立大学の将来展望にとって、入試制度は一つの焦点として注目される。
皆さんはどの段階の入試をくぐり抜けてこられたでしょうか。ぜひ自身が高校生だったときの記憶を思い出してみてください。
参考
執筆
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- 執筆者
- 日本文化学部学部生
片山 大雅
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- 投稿日
- 2023年08月25日
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