国際文化研究科Graduate School of International Cultural Studies
研究科紹介
共に学び、みずから学びを磨く --- 異なる価値観を結ぶ国際文化研究
国際文化研究科は、外国語学部に基づく国際文化専攻と日本文化学部に基づく日本文化専攻とから成り、それぞれに博士前期?後期課程を設けています。
この研究科は、学際的な視点を取り入れつつ国際社会における自文化と異文化とを教育?研究します。また、前期?後期課程ともに昼夜開講を実施し、グローバル化時代における社会人教育の推進に努めています。
研究科長あいさつ
国際文化研究科は、人文社会科学の諸分野を包み込む、非常に守備範囲の広い大学院です。異なる価値観を結ぶ国際文化研究という表現から、本研究科が大事にしてきた自由闊達な学びの雰囲気を感じ取ってもらえればと思います。
研究室単位でプロジェクトを動かすことが多い理工系の大学院とは異なり、人文社会系では個人研究が基本となります。このため本研究科では、院生が各自の研究テーマを見定める段階から、多くの自由が保障されています。研究室や指導教員の研究テーマに縛られることはありません。しかし、自由であることの裏返しとして、みずから選び取った学を成し遂げるだけの覚悟と独立心が求められます。存在価値を自分で証明しなければならないというのは、けっして簡単なことではありません。試行錯誤の過程にこそ積極的な意義があると考え、研究者あるいは専門職業人としての自立をめざしてください。
本研究科の大きな特徴は、院生の自立を支えるためのヒューマンな仕組みを充実させているところにあります。自分が進める研究の意義を相対化し、多くの人びとに理解してもらうためには、共に学び、議論するプロセスが重要となります。国際文化研究の要であるコミュニケーションは、さまざまな言語による意思疎通であると同時に、研究者同士、そして研究者と社会の繋がりや交流としての意味をもちます。そうした理解に立脚して、本研究科では、近接分野の教員?院生が集まる合同ゼミの取組みを推進すると同時に、英語高度専門職業人コースとコミュニティ通訳学コースという、異文化コミュニケーションに関わる2つの専門コースを設置しています。
このサイトをご覧になったみなさんが本研究科に進学し、大学院の仲間の一人として、共に学び、自らの学術を錬磨し、大きく成長してくれることを切に願っています。
国際文化研究科長
丸山 裕美子
国際文化研究科の教育方針
自文化と多文化共生に関する理解を基礎として、国際社会および地域社会で活躍できる人材の育成を目指す
博士前期課程では、国際文化専攻と日本文化専攻に共通する研究の土台を「言語文化」と「社会文化」の2専門と捉え、両専攻ともそれぞれの専門にさらに2研究分野を置いています。すなわち、国際文化専攻の言語文化専門には「言語研究」と「文学文化研究」、社会文化専門には「国際社会研究」と「地域社会研究」が、そして、日本文化専攻の言語文化専門には「言語研究」と「文学思想研究」、社会文化専門には「歴史文化研究」と「地域文化研究」がそれぞれ置かれています。
博士後期課程では、前期課程で培った人文社会科学分野での学際的な分析力と国際性に裏付けられた展開力という特色をさらに深め、グローバル化とローカルな動きが同時進行する世界と日本の趨勢に対応しながら、既存の学問的方法を超えるような、多面的で多彩な視点をもって研究をすすめます。
国際文化専攻
外国語によるコミュニケーション能力と外国語で書かれた資料を扱う能力を十全に備え、国際社会および地域社会の諸問題に精確に対応できる人材を育てます。
併せて、社会で求められる英語プロフェッショナルを養成する「英語高度専門職業人コース」や、専門知識を有するコミュニティ通訳者やコミュニティ通訳分野のコーディネーター?研究者を養成する「コミュニティ通訳学コース」が専攻内に置かれています。
また、修了要件となる最終課題については、「修士論文」「特定課題研究成果」のいずれかを選択できます。後者としては、地域社会の課題解決を目指した政策提案、言語教育等に関する教授法の開発、学術的価値の高い外国語資料?作品の翻訳?解説、考古?民俗資料等の発掘?分析等が評価の対象となります。
日本文化専攻
グローバル社会を学術的に認識すると同時に、国際的な視野に立って自文化を深く掘り起こし、日本社会に生起する社会的?文化的諸問題を解決する能力のある人材を育てます。
さらに、国際文化専攻と共通した科目を置くことによって、日本という地域社会に留まらない学術的一般性?原理性が得られるようにしています。こうして、日本文化研究を質的にも総合的に深化させることを目的とします。